コミュニケーションは伝える力より聴く力が大切。3つのポイントで傾聴力アップ

優しくなれる話の聴き方講師の
垣辻より子です。

今回は、コミュニケーションは伝える力より、
聴く力が大切というお話をします。

最近、コミュニケーションが大切だと言われ、
一般的には、「伝える力」が長けている人が
コミュニケーション能力が高いと思われがちです。

まず、こういうデータがありますので、紹介しますね。

対象者の課題は「部下との関係構築」と「傾聴力(聴く力)」

対象者に対して抱えている課題はどのようなものか。最も多かったのは「部下との関係構築」と「傾聴力(聴く力)」でともに56%、次いで「伝える力」(48%)、「質問力」(36%)、「アサーション(自分も相手も大切にした自己表現・主張)」(26%)となっている。

日本最大級の人事ポータル「HRプロ」
「HR総研 人事白書2016」人材育成に関する調査結果【6】 コミュニケーション/コーチング研修
~研修内容で最も多いのは、簡単なようで難しい「傾聴力」~ より一部抜粋
(https://www.hrpro.co.jp/)

このデータからは、
「伝える力」よりも「傾聴力(聴く力)」が
多くの企業で求められていることがわかりますね。

さらに、同位で「人間関係構築」が挙がっていますが、
信頼関係を構築するには、
相手の気持ちや考え方、価値観といったものを
理解する必要があります。

それには、「伝える力」よりも先に、
相手の話を『注意深く聴く姿勢』であったり、
相手の話を『積極的に聴こうとする姿勢』により、
相手との信頼関係を構築するために、
「聴く力」が必要になるのです。

 

それでは、相手の話をただ受け身で
聴いていたらいいのかというと、
そうではありません。
話す内容や、言葉の意味を理解することよりも、
相手の表情や声のトーンなどの非言語の部分に注意を払い、
相手の気持ち(感情)に寄り添いながら聴くこと。
これが、「聴く力」の基本になります。

たとえば、職場においては、
相手の気持ちに寄り添う聴き方をすることにより、
こちらが何も言わなくとも、
相手は、自分自身で答えを見つけ、
自然と問題解決にいたることもあります。

また、ご家庭の場合であれば、
このような聴き方をしてもらった子供は、
もともと持っている能力を
最大限に発揮出来るようになり、
自分がするべきことに積極的に
取り組んで行けるようなるのです。

これらのように、
こちらから多くのことを話さなくとも、
スムーズに良好なコミュニケーションが取れ、
それによって、相手との信頼関係を得ることも容易になります。
”聴く力”を育むことは、職場においてもご家庭においても、
あらゆる場面においてお役にたてること間違いないでしょう。

それでは、この”聴く”という行為について、
どのように聴いたらいいのか、
意外と難しいと感じる人も少なくありません。

実は、私たちは今まで自然と、
”聴く”という行為をしているのですが、
では、実際のところ、どのように聴くのかについては、
今まで教わったことがない人がほとんどだと思います。

聴き方の技術を知っているのと、知らないのでは、
格段の差があると言っても過言ではないのです。

是非、聴き方を学び、家族や職場、お友達、
パートナーとのコミュニケーションに活かして欲しいと思います。
あなたのこれからの人生が変わること間違いないと信じています。

そこで、”きく”という行為でも、
3種類の”きく”があります。
3つの”きく”の違いについて簡単に説明します。

3つの”きく”の違い

聞く

「物音を聞く」「話し声が聞こえる」のように、
音や声などを自然に耳に入ってくること。
受動的にきくニュアンスがあります。

聴く

「音楽を聴く」「講義を聴く」「市民の声を聴く」のように、
対象物、相手に意識を向けて、積極的にきくニュアンスがあります。
聴くという漢字は、耳辺に十と四と心という文字から成り立っています。
耳できくだけでなく、14の心で耳を傾けるとか、目をみながら、
耳を傾けるとか、諸説はいろいろあります。

訊く

これは質問したり、訪ねるという意味がありますので、
他の二つとは、明らかに異なります。

 

次に、”聴き方”にも種類があります。
その聴き方の種類とその違いについて説明します。

ビジネス会話、一般会話(日常会話)および傾聴の違い

男女の会話

ビジネス会話での聴き方

文字のとおり、ビジネスで使う聴き方です。
明らかでわかりやすいと思います。

お互いが、分からないところ・・
例えば、頭の中でお互いの会話を
ジグソーパズルのようにイメージして、
どこかのひとつピースが抜けていたら、
それがわかるような質問や確認を相手にすることによって、
その抜けているピースが埋まるわけですよね。

お互いが、基本的には、わかりやすく、具体的に、
いつ、どこで、だれが、何を、どうしたのような
5W1Hや6W2Hを考えた聴き方すると、
ビジネス会話としては、成り立ちますね。

一般会話(日常会話)での聴き方

一般会話とあとから出てくる傾聴は、
コミュニケーションが目的の会話(聴き方)になります。

一般会話での聴き方では、どちらかが提供した一つの話題について、
お互いが、好きなこと、興味あることを話したり、質問し合います。
そして、相手が話終わったら、次に自分が話すること、質問することを
考えていたりすることが、少なくありません。
つまり、自分が言いたいことに意識が向いています。

コミュニケーションは、
よくキャッチボールにたとえられますが、
お互い、好きな話題、話したい話題(ボール)を持っており、
好きなタイミングで投げあうようなイメージですね。

なので、もともとの話題から、
話の内容が変わっていくこともよくあることです。
話が盛り上がることはあっても、
あまり深まりはしないといったところでしょうか。

傾聴での聴き方

傾聴もコミュニケーションが目的の聴き方になります。
先ほどの、一般会話との違いで説明すると
わかりやすいと思います。

一般会話は、一つの話題について、お互いが
コミュニケーションのボールを
投げ合うようなイメージをお伝えしました。

一方、傾聴は、たまたま、
話し手が提供した話題があったとすると、
話し手は、その話題について、
つらつらとお話するのです。

その時に、聴き手の聴き方としては、
その話題に焦点を当てることではなく、
その話題を話したくなっている話し手の気持ちに
焦点を当てる聴き方のことをいいます。

ここでポイントは、話し手の話題の中身は
特に重要ではないのです。

なので、話題の中身がわからなくても、
そこを詳しく質問や確認をするのではなく、
その話題について話し手が、
どう思っているのか?
どう感じているのか?
について、耳を傾けてきく聴き方のことです。

一般会話は、私がどう思っているかという、
例えば、「私も、そう思う」「私、それ好き」のような、
『私基準』で聴く聴き方になります。

一方、傾聴は、
私(聴き手)はどう思っててもいいのですが、
あなた(話し手)が
どう思っているか、
どう感じているかという、
『あなた基準』で聴く聴き方です。

 

次に、自分では全く気がつかないで、
間違った聴き方をしていることがあります。
例をあげて説明します。

あなたはこんな聴き方をしていませんか?

相手の話をとる(会話泥棒)

「私が話しているんだけど・・・」
話の途中で誰かが割り込んできて、
会話を持っていかれてしまった経験はないでしょうか。
さまざまな場面で、途中で人の話を無意識に奪ってしまう。
こういう相手の話をとる(会話泥棒)ことが、よく起こります。

これって、横取りした本人は無意識なので、
全く悪気がないものです。
人の話を聴いている途中で、
自分の過去の経験で同じようなことがあったときに、
ついつい、「あっ、そうだ、私の場合はさ~」
と披露したくなってしまいます。
会話泥棒しても短く済んで
また元の発信者に戻してあげればいいのですが・・・。
一度、奪われてしまった会話の主導権は
ほぼ戻ってくることないですよね。

質問)このとき、話し手はどういう気持ちになっているでしょうか。
せっかく、私の話を聴いてもらいたいと思って話し出したのに、
聴いてもらえなくなり、「もういいや」って思ってしまいます。

その話し手は、それ以上、話をすることもなくなるでしょう。

アドバイスをする

・『アドバイスをするべき』と思っている。
・自分の似た経験を言ってあげたほうが伝わりやすいと思っている。

これらは、表面上は相手の話を聴いていても、
自分の考えを言っている(押しつけている)パターンです。
この様な気持ちが自分の中に起こっていると、相手の気持ちを
受けとめるのを邪魔してしまいます。
すると、それが相手に非言語的として伝わってしまうのです。

質問)このとき、話し手はどういう気持ちになっているでしょうか。
「アドバイスは必要ないんだけど・・」
「ただ、聴いてほしいだけで話したんだけど・・」

励ます

A「この前ね、会社からリストラ要因だよって言われたんだ・・」
B「そうなんだ、その気持ちわかるよ。がんばってきたのにあんまりだよな。
でも、会社ってそんなもんだよ。
そんな会社、さっさと辞めたらいいと思うよ。
私も以前の会社で、リストラ要因だって言われたとき、
すぐに次の職を探しに気持ちを切り替えたよ、その方がいいって」

Bさんは、今まで転職自体を何回もされている人で、
転職に対するハードルは低いのかもしれません。
しかし、Aさんは、大学卒業から、10年以上真面目にコツコツと
勤めてきたという人だったら・・。
恐らく、リストラという言葉の重みや感情ののり方が違ってきます。
Bさんにとったら、「次探せばいいよ」っていう軽い気持ちかもしれません。
一方、Aさんにとっては、リストラ要員であるこの宣告は、
この世の終わりのように感じているのです。

特に今、悩みの深い人に対して『がんばれよ』という励ましは、
すでに、この話をうちあけるまでに、
精一杯がんばってきていることが多いことから
『これ以上何を頑張ればいいのだろう』と
自分を追い詰めてしまうことにもなります。

質問)このとき、話し手はどういう気持ちになっているでしょうか。
聴き手(Bさん)のように聴いていると、話し手(Aさん)の気持ちは、
まだまだ、気持ちを切り替えるところまで行ってなくて、
これも上記と同様、「あなたの言っていることはわかっているんだけど、
そんな気持ちになれな私をわかってくれない・・」となります。
もっと、深刻になると、
『そう言ってくれる気持ちになれない私が悪い』という風に、
さらに、自分自身を責める人も多いのです。

元気づける、明るくする

励ますとよく似ていますが、
相手がおちこんでいるようなときに、
落ち込んでいることはよくないという考えのもと、
わざと明るい話をして元気づけたり、冗談などを交えて、
別の話をして気を紛らわせることがあります。
以上の対応は、いずれも相手のつらさ、悲しさなどの気持ちを
受け取らずに、はぐらかしてしまっている対応です。

質問)このとき、話し手はどういう気持ちになっているでしょうか。
このような聴き方をすると、話し手の気持ちは、
他の話に勝手に置き換えられて、気持ちを無視されていることになります。
これも上記同様、「私の気持ちわかってくれない・・」となります。

問題解決をする

話をきいたからには、解決してあげようとか、
私が解決してあげたいという気持ちを持っておられる方、
少なくありません。

あれこれアイディアをだしたり、意見をしたりするのは、
当然と思っていることもあるでしょう。
その考え方の奥には、実は、自分は相手より優れていて、
相手は、未熟だという思いがあったりするものです。

解決策を言ったところで、相手が納得できないと、
受け取ることができません。
(表面上、そうですね・・と受け取ってくれるかもしれませんが)
解決策を言った聴き手のほうがスッキりするだけです。

質問)このとき、話し手はどういう気持ちになっているでしょうか。
「私も、それはよくわかってるんだけど・・」
「今、そんなこと考えられない・・」

 

以上、代表的な5つの間違った聴き方について、お伝えしましたが、
日常会話(一般会話)においては、間違っているわけではありません。
好きなように、思い通りにお話をして、
楽しい会話になれば特に問題ありません。

しかし、目の前の人の話を傾聴でお聴きしたいというのであれば、
相手の気持ちをしっかりと聴く、
そして、気持ちを聴くという共感することが求められます。

さらに、相手の気持ちや感情を受けとめることが、
相手を救うことになることを、理解する必要があります。
辛さや苦しみを抱えている話し手の側に一緒に寄り添うことです。

もし、お話を聴いているときに、
相手に何か言いたい気持ち(たとえば、アドバイスや励まし)が出てきたら、
その気持ちは、脇に放置することをおすすめします。
(これらには、スキルや技術があります。別のブログで紹介します)

 

最後に、傾聴力を高めるにはどうしたらいいのでしょうか。
3つのポイントを参考にしてみてくださいね。

傾聴力を高める3つのポイント

耳で聴いているだけではなく、全身で聴く

職場で、報告や相談を持ってこられた部下の方に対して、
パソコンを見ながら、作業をしながら(相手のほうを向かず)、
話を聴くということないでしょうか。

これでは、聴いているということにならないですね。
相手に向き合い、うなずきや相づちはもちろん、
相手の表情などの非言語なども確認しながら聴くこと。

相手(この場合、部下)が
「〇〇さん、私の話、ちゃんと聴いてくれてるわー」
という反応*があったとしたら、
それは、話をちゃんと聴けていることになります。

*心理学のひとつ、NLP(神経言語プログラミング)では、
”相手の反応が、あなたのコミュニケーションの成果である”
とも言われています。

自分の思い込みで話を聴かない

人は、”本音を言わない”ことを前提で
コミュニケーションをとることが大切です。

もともと、本音を言うのか、言わないのかは、
その人の性格云々ではなくて、
環境の違いが影響するといわれています。

否定がない環境だと、人は本音を言いやすくなりますが、
否定されそうと思うと、本音は言わないようになります。
これは、どういうことかと言うと、
たとえば、職場の上司自身は、
「僕は、否定しないで聴いている」
と思っていても、
部下が否定されそうと思っていると、
本音を言ってくれない
ということもあります。

相手の声にならない声を聴く

相手が言語化できないであろうと思って聴くこと。

上下関係の立場であるときは、特にそれに気を付けること。
表面上で表されている言葉だけで判断するのではなく、
言葉になっていない本当の想いを
聴けるようになることが大切です。
それには、トレーニングが必要になります。
(ここでは割愛し、別のブログで紹介します)

 

傾聴力を高める3つの考え方

注意するポイント

自分が聴いてもらう経験を持つ

そもそも、自分が聴いてもらって安心した経験、ほっとした経験、助けられた経験を
持っていないと、人の話を聴くことができません。
なので、傾聴力を高めるためには、聴いてもらうことをおすすめします。
その聴いてもらう体験を多く持つことが、傾聴力を高めたい人には必須です。

観察する、真似る

その聴いてもらえる人がみつかれば、その人のことをよく観察すること。
また、その人をモデリングすることも最善の策です。
会社の上司や、かかりつけの医院の先生、よく相談にのってもらうお友達に
話すことによって、聴いてもらえた感覚がある人のことを観察することです。

ネバーランドよりタイランド

「〇〇しないといけない」
→ あまりやりたくないけど、やらないといけないからやる
「ふつう、〇〇するでしょ?」
→ 常識的なことを考えてしまう
と言うこと多くありませんか?

これは、”せねばならない”
この思考が強いと、人の話を聴くときに、
聴かなければならないになると、
ついつい、余計なひとことを発してしまいます。
これは、無理して、我慢して、聴いていることが多いので、
自分が聴きたいか、聴きたくないかで
決めることをおすすめします。

聴きたいなら、聴く
聴きたくないなら、聴かない

 

話の聴き方(傾聴)にご興味ありましたら、

本記事についても
傾聴1日講座(基礎)で
詳しくお伝えしていますので、
ご受講をご検討くださいね。

 

 

 

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