リビングの椅子

あなたは、事実を明らかにしたいですか?

先日、
地域の傾聴ボランティアに参加しました。

こんにちは。
傾聴講師の垣辻より子です。

先日、とある特別養護老人ホームへ
ボランティア8人でお邪魔しました。

いつものとおり、
大広間に集まっておられる入居者の方に、
私達は、傾聴の練習をさせていただきます。

特別養護老人ホームは、
認知症を患っておられる方も
いらっしゃいます。

また、その程度も皆さん様々です。

そして私達ボランティアは、
『できるときに、できることを、できるだけ』を
信念として活動しています。

 

そういうことから、

久しぶりに活動することもありますし、
たまたま続けて活動できても、
同じ人とお話できるかどうかは
わかりません

また、
そのお相手の認知症の程度は、
いつも手探りで
傾聴させていただくことがあります。

今回、私が聴かせていただく人も、
認知症を患っておられるかどうか、
わからない状況でした。

念のため、
遠くから、ご婦人と目をあわせ、
同時に目線の高さもあわせて、
徐々に近づいていきます。

認知症の人は、視野が狭いそうで、
横から声かけると、驚かせてしまうことが
あるそうです。

 

名前を言って、
『お話を聴かせていただきたいのですが・・』
と申しあげると、
にっこり笑って、
『どうぞ座ってください』
と答えて下さいました。

 

早速、
昔のお話をしてくださいました。
そのご婦人のお父さま、お母さまのお話でした。

お母さまはいつも優しい方で、
お裁縫が得意だった・・と。

ご婦人は、お話して下さっている間、
車椅子に座り、膝掛けをかけておられました。

そして、

『この膝掛けは(今、膝にかけているもの)、
小学校1年生のときに
お母さんが手縫いで縫ってくれたもの』と。

聴き手の私の頭には、
『えっ?ほんとに?』
という思いがムクムク出てきました。

なぜ私がそう思ったかと言いますと・・・

その膝掛けの色、柄は、
現在でも、どのお店でもよく
見かける膝掛けでしたので。

しかし、

ご婦人は、ミシン目のところを指でさしながら、
お母さまが、この縫い目を、
一針一針、手で縫ってくれたと・・・。
(本当にそうなのかもしれませんが・・)

膝掛け

こんなとき、あなたならどうされますか?
どのように、応答されますか?

事実を明らかにしたくなる気持ちが
出てしまうかもしれませんね。

しかし、

もしあなたが、
目の前の人と
傾聴で関わりたいのであれば、
事実を明らかにする必要はないのです。

先ほど、
私の頭の中からムクムク出てきた思いは、
ちょっと横に置いておきます。

ご婦人の膝掛けが、
既製品であっても、
お母さんの手縫いであっても、
今は、どちらでもいいのです。

そこをご婦人と議論する必要性は、
全くないのです。

今、この膝掛けについて話したがっている
ご婦人の想っていること、感じていることに、
耳を傾ける聴き方が傾聴なのです。

今、目の前のご婦人の想いは、
膝掛けを手縫いで縫ってくれた
優しいお母さまであったということ。

傾聴してさし上げたい私は、
ただ、ご婦人のお気持ちを
受け止めるだけでいいのです。

『優しいお母さまですね』と。

こういうことって、
ボランティアの場所に限らず、
普段の生活でも経験あることだと思います。

たとえば、
こういう会話を
耳にされたことないでしょうか。

話し手:「娘が東京にいるんですけどね」
聴き手:「えっ?東京ではなく、
福岡じゃなかったですか?」

聴き手は、話し手の記憶を訂正しよう、
あるいは、
確認しようとしているのかもしれませんね。

しかし、
傾聴では事実を明らかにする必要は
ないのです。

娘さんが東京にいるのか、福岡にいるのか、
傾聴の場面では、あまり大切なことではありません。

少なくとも、今は、話し手は東京にいると
想っているのですから、
それを尊重して会話を進めることなのです。

今、目の前の人とどう関わりたいか・・・で、
対応が変わります。

人と自分に優しくなれる話の聴き方を講座で
お伝えしています。

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